美我空 〜 My Beautiful Sky 〜 【2】
「『いつか、【同じ空】を見てくれる人が現れるわ』って…」
「母さん、そんな事言ったのか…」
「うん。でも、父さんからのプロポーズの言葉だって…」
「そこまで言ったのか!?」
「うん。…俺は好きだよ。この言葉」
「…そっか」
真っ赤になった父さんの顔を見て、母さんの言ったことを思い出す。
…たしかにカワイイかも。
そっと笑っていると、風呂から上がった晋と登がそばに来て――。
「どうかしたの?兄さん、凄く楽しそう」
「ん…父さんが母さんにしたプロポーズの話をしてて…」
「こら!悠!!」
焦った父さんは俺を止めようとするが、晋と登の目は好奇に溢れていて…
「兄さんだけ知ってるなんてズルイ!僕達にも教えてよ!!」
「にいちゃん、おしえてーー!!」
せがむ二人に苦笑して、父さんは―――。
「…風呂に入ってくる…」
そう言って立ち上がり、浴室へと消えていった。
その後姿を見送りながら、早く!と急かす弟達に父と母の話を始めた。
* * *
「父さんってロマンティストだったよね」
父の葬儀の日。
空を見上げて、晋がポツリと呟いた。
過去形で話すしかない事が、凄く悲しくて、切なくて。
楽しかった思い出も、今は涙を誘うことしか出来ない…
降り出しそうな空の下。
声を上げて泣く登と、ただ、静かに涙を流す晋の二人を抱き締めた。
父さん、母さん。
この空のどこかで、無事に合えましたか?
そこからは、俺たちがよく見えるでしょうか?
だけど、ねぇ、母さん。
俺たちからは、まだ、青空が見えないよ―――。
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2009.04.24 UP