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「石川さー。何時も同じ人間と24時間一緒って、疲れない?」 それは快気祝いでの飲み会の時に、たまたま隣に座った皐からの突然の質問だった。 「…え?特に…」 突然の質問でも律儀に答えてくる石川は不思議そうな色を目に浮かべている。 「如何したんだ突然?」 「ん。突然でもないんだけど…。実は前から聞いてみたかったのよね。」 そう言って皐は肩をすくめる。 「石川は岩瀬とズーッと一緒じゃない?だから、たまには『窮屈だな』って思うことない?」 皐はもう一度、同じ質問をしてきた。 「…最初は思ったけど…。今は感じないな。」 そう言って笑う石川は幸せそうで… 「御馳走様デス。つか、聞いたあたしが馬鹿なの!?」 皐は「あついあつい。」とパタパタと手で仰ぐ。 「そういう野田だって、ほぼ24時間一緒だろう?」 石川は皐の夫である野田の姿を思い浮かべながら聞き返した 「ウチは24時間ほどじゃないわ。“自分の時間”が有るもの。シフトにもよるしね。」 「…俺にもあるよ。“自分の時間”」 「そうなの?てっきり“四六時中”を地でいってるのかと思ってた。で、いつ?」 「え?」 「…だから、“自分の時間”よ!」 「…んー… 風呂とトイレと電話…?」 「…石川… それは“自分の時間”じゃないわよ?それって“必須時間”じゃない…」 皐は石川の答えにあきれ返ってしまう。 『コレほどまでとは…。恐るべし岩瀬…』 訓練校時代では考えられない状況に皐は思わず笑い出しそうになる… 皐のツッコミに石川は「うっ…」とつまり。 「えーと…。」 と、必死で考えている… 「…石川… そんなに考えないとダメなの…?」 「いや…。思いつかない…。」 その事実に石川自身が驚いていた。 何時の間にこんなに馴染んだのだろうかと。 そんな石川の様子を見て、皐は― 「…しんどくない?」 と、チョット苦笑気味に聞いてみた。 『これは、ちょっとイジワルな質問だったかな…?』 内心、「マズかったかなー。」と、思いながらも石川の答えに興味がある。 皐の質問に少し目を見張り… 「…野田はしんどいのか?」 逆に問われた皐は 「まさか!ありえないわ!!」 と、即答で答える。 石川はその答えを聞いて…。 「だろう?それに…」 と、そこで、不自然に途切れる。 「それに?」 皐はここぞとばかりに聞き返す。すると、石川はホンワリと笑って― 「そこがいいんだろ?」 と、頬を染めながら答えた。 『真剣に驚いた…。まさか、石川からノロケを聞くなんて!!』 石川の答えに皐は真剣に驚き… そして― 「そうね。それは云えてる。…岩瀬には感謝しなくちゃ。」 と、温かい微笑で石川を見る。 「…なんでだ?」 「だって…石川とこんな話が出来るんだもの! よかった、石川が幸せで。」 「…有り難う、野田」 「いえいえ、どういたしまして。それに…」 「それに?」 「一人だけ幸せだとつまらないでしょ? 皆も一緒でないとね!」 そう言って笑う皐はとても幸せそうだった。 「そうだな。」 「でしょ?」 「…野田は本当に“いい女”だな。」 「あら、今頃気づいたの!? 遅い!」 「う…。ゴメン…」 「…なんでそこで謝るかな?」 「……」 そして目を合わせ2人で同時に吹き出した。 「あはは。石川ってば最高!」 「あはは。そういう野田だって。」 そう言って笑い会う。 気の置けない仲間達。そして… 何より心から愛する人との大切な時間。 それは24時間なんかじゃ足りないほど。
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アトガキという名の言い訳。
ナンダカよく分からないお話に(>_<)
皐さんと悠さんの会話ってどんなんでしょうか?
きっと、面白い会話だと…。<チガウデショ…
お目汚しを…。
06.02.26