おおきにvv25000Hit!
フリー配布SS(11/05〜11/11)
さざめく世界
街中の喧騒は、好きだけど…同時に寂しさも覚える。
だから、一人でいても笑えないんだ―
ざわざわざわ―
カフェテラスで座り、紅茶の入ったカップを傾けながら街中の喧騒に耳を傾けていた石川は、道行く人ごみの中に目的の人物を見つける。
そして ― 軽い悪戯心でそっと隠れた。
「あれっ?悠さん…ここで待ち合わせなのに…まだかな?」
息せき切って、現れたのは岩瀬で。キョロキョロと周りを見渡す。
そして腕時計を確認し。先ほどまで石川が座っていた席へと腰を下ろす。
そんな岩瀬をコッソリと見て、石川は微笑んだ。
『もうちょっとだけ…このままで…』
待っている間。普段では見れない表情を見せる岩瀬を見るのが好きだったりする。
石川が思い浮かべる岩瀬の表情と言えば…
仕事中の、厳しい視線で周りを注意する顔。
オフの時の子供のように笑う顔。
そして―俺だけに見せる、甘く優しい顔。
どれも大好きだけど…やっぱり一番大好きなのは―
曇りのない笑顔…かな…?
そんな石川の思惑とは裏腹に。岩瀬は即行で石川の携帯へと連絡を入れる。
石川は慌てて、マナーモードに切り替えたが―少し遅かったようだ…
ほんの一瞬鳴った、耳慣れた着信音に岩瀬が反応する。
そして―石川の姿を見た瞬間、とびきりの笑顔を向けていた。
それにつられるように、石川も微笑んで―
「ゴメン…待たせた」
「いえ。今来た所ですから。」
満面の笑みで出迎えてくれる岩瀬。
先ほどまでの雰囲気とは、まるで柔らかさが違っていて…
そんな岩瀬が大好きだと思う。
だから。
「基寿…」
「はい?」
「大好き…」
岩瀬は石川からの突然の告白に、目を見開くが―
優しく笑って…
「はい…俺もです」
そう言って、そっと手を握ってくれた。
そして。
「悠さん…そんな可愛いことを言うと…我慢できませんよ?」
苦笑と共にチロリと指先を舐められ…
「なっっ///」
真っ赤になって言葉が出ない石川を見て、岩瀬が思わず吹き出した。
「…ぷっ… 嘘です。さぁ!ご飯食べに行きましょう!もうお腹ペコペコです!!」
「…基寿!!!」
「あ。でも…帰ったら覚悟してくださいネ?」
軽くウィンク付きで投げられた言葉に、石川は益々赤くなり…
「///基寿!」と。叫んでいた。
先ほどまでは、寂しくて。決して笑えないと思っていたのに…
基寿、お前が居るだけで世界はこんなにも優しくなれる。
だから、寂しくないし。笑えるんだ―
だからこれからも…
06.11.05 UP
アトガキトーク。(寧ろ言い訳。)
はい!有り難う御座いますvvと言う訳で。
フリーSS第三弾です。
…またまた意味がね…(泣)
秋は人恋しくなります。という事で…?
配布期間は(11/5〜11/11)までとなっております!
よっしゃ!もろたろ!といわれる方は、拍手にでも一言お願いしますvv
ではでは。有り難う御座いましたvv