* 康サンとにゃんこエミュ *
〜冬の王道〜


注・ここではエミューが猫化してます。
  しゃべります。猫耳と尻尾がついてると思ってください。
  苦手な方は見なかったことにすることをオススメします。











 二人でテレビを見ながら、ソファでくつろいでいた休日の昼下がり。

康の膝に乗ってテレビを見ていた尾美が、いつもの如く疑問を投げかけてきた。

「康、なんであのテーブルにはお布団がくっついてるんだ?」

両手でホットミルクが入ったマグカップを持って、見上げてくる。

答えを聞き漏らさないように、ピンと立った耳が可愛らしい。

テレビに映っていたのは、日本の冬の家庭というコンセプトらしく出演者がコタツに入り

ながらトークを繰り広げていた。

「あれはね、『コタツ』っていうんだよ」

「こたつ?」

「そ。布団がくっついてるのは、中に暖かくなるヒーターがあるから暖かい空気が逃げ

ないように」

「・・・うん?」

ちっちゃい頭で康の言葉を想像してみた尾美は、中に入っているヒーターが思いつかな

かったらしい。

小首を傾げて?マークが飛んでいる。

「尾美はベッドで布団に入ると暖かいだろ?」

「うんッ!! 出たくないぞ!」

わかりやすいようにとより身近なことを例にすれば、すぐに正直な言葉が力いっぱい出て

くることに康は苦笑する。

「だろ〜? 布団をめくると寒いよな?」

「あ、だからお布団で寒くないようにしているのか!」

賢い子猫は、康のわかりやすい説明にピンときたらしく、そっかなるほど、と納得している。

「そうそう。足入れてるだけで暖かいぞー」

「へぇー」

「そっかー、そういえば昔、実家にはあったなぁ」

「・・・こたつがか?」

まだ実家にいた頃は、冬になるとコタツが出て、ついそのまま寝てしまっては怒られて

いたのを思い出して、康は「懐かしいな〜」と呟いた。

「うん。コタツに入ってみかん食ったりしてると、冬って感じするよな〜」

そんな康の呟きを膝の上に座って見上げていた尾美は、テレビに視線を戻してから

ちょっとの間考えた。

「・・・・・・康!」

「ん?」

「こたつ入りたい!!」

「え?」

突然の尾美のおねだりに、昔を懐かしんでいた康が子猫を見下ろすと、キラキラした瞳で

見つめられる。

「こたつ!! こたつ入ってみたいーッ!!」

「えっと・・・」

暖かいところが大好きな尾美は、大好きな康の話を聞いていて自分もやってみたくなった

のだろう。

「こたつ入ってみかん!! テレビもーッ!!」

きゃんきゃん喚く尾美が、テレビに向かって指をさしている。

その先を見てみると、テレビの中でもコタツの上にはカゴに入ったみかんが乗っていて、

康が言った『コタツにみかん』という冬の王道である。

「アレやりたいーッ!!」

こたつに入ってみかん食べたいー!と、膝の上の子猫はわがままなおねだりを繰り返す。

「・・・・・・コタツかぁ・・・」

ネコってコタツ好きだよな〜歌にもあったな〜と思いながら、もう一回膝に乗っている

尾美を見る。

くつろぐにはソファで充分と思っていた康は、コタツの購入は考えていなかったのだが、

昔を思い出して懐かしくなったのと、溺愛する愛猫の可愛いおねだりに、自分もコタツに

入りたくなってきた。

「そうだなぁ・・・最近寒いし、買っちゃおうか」

「ほんとかッ!! やったーッ!!」

こたつーvvと、入ったことのない尾美は、康の言葉に大層喜び、「早く早く!」と、康の気が

変わらないうちにと、飼い主を急かして買い物に出かけたのだった。






            *****







「おーみ」

「ぬっくぬく〜」

ふたりしかいないので、気に入った小さめのシンプルなコタツを購入して早速リビングの

テーブルと交換したとたん、尾美はいそいそとコタツに入り、足元が暖かいことに幸せ

そうにコタツ布団に懐いた。

「気に入った?」

「うむッ!!」

「良かった良かった。ここで寝るなよ、風邪ひくからな」

「わかってるぞ!!」

わーい、あったかーい。と、ちょこんとコタツに入っている尾美のふさふさしたしっぽは

パタパタと揺れている。

その様子を見て笑いながら、康は暖かいお茶を淹れてからコタツに入った―――のだが。

「・・・康、なんでそっちに入るんだ?」

途端に今さっきまで喜んでいた尾美が、いきなり「むぅッ」と膨れながら、上目遣いに

睨んできたのだ。

「え? だって、こっちなら向かい合わせだろ?」

康の言葉に、更に膨れた子猫は端的に叫んだ。

「やだ!!」

「やだって・・・」

機嫌が良かったのが一転、どうしたんだ急に・・・と思っていると。

「康は、こっちだ!!」

パンパンッ、と子猫は小さな手で自分の両脇を叩く。

―――どうやら、ここに来いと言っているらしい。

「こっちって・・・尾美の隣には狭くて入れないよ」

「隣じゃなくて、ここなんだーッ!!」

ソファのときと一緒がいいー! と、わがままな子猫はコタツに入りながらダダをこねる。

「・・・抱っこするのかな?」

「うんッ!!」

ソファのときは大抵膝の上に乗せているので、尾美の言いたいことを予想して聞いて

みると、正解だったらしく、途端にパァッと全開の笑顔になった。

なんて可愛いワガママなんだ・・・!と、感動しながら移動して、尾美の望み通り抱っこ

してコタツに入る。

「これでいい?」

「うん!! あったかいぞ! 康ぬくぬく〜」

幸せそうに笑って見上げてくる様子はどこの子よりも可愛らしい。

「あーもーッ可愛いなーッ!!」

「うぁッ! 康くるしいぞッ!」

うちの子いちばん!!と、親バカっぷり全開でぎゅうう〜っと抱きしめてくる飼い主に、

文句を言いながらも嬉しそうな尾美だった。







<END>

06.12.06 UP


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angreacum様で10000HitキリリクGet作品デッスvvv
栄えある一万打のリクがウチ。
しかも【身悶えするような】とかよく解らないリクを…

そんな意味不明なリクに雛月様はこんなにも可愛いお話&イラストをっっ!!!
…っきゃーーーーvvvかーわーいーいーーーvvv
どうしよう…この可愛い生き物…(悶。)
連れて帰ってもいい?勿論!康さん付きでOKですからvv

…えぇ。注文どおり悶えさせていただきました☆
ホント!オマケまで付けてくれて…有り難う御座いますーーvv
ものごっつ。超特急でGet→UPしておりますからーーー!!!(ホント早いな。)

本当に!雛月様!!!有り難う御座いましたvv
また、お願いします☆(ぇ?)