Thanks!! 35000Hit ss

【目にはさやかに見えねども。】



「岩瀬…」
「・・・・・・」
「岩瀬…!」
「えっ…は、はい・・・!!」

空を見上げて固まっている岩瀬に石川は声を掛けた―

「岩瀬…?何かあるのか?」
「いえ…いいお天気だな…って」

慌てて石川の声に反応する岩瀬は緩く手を振って誤魔化した。
石川はそんな岩瀬をじっと見て、そして同じ様に空を見上げる。

「いい天気だが…それだけか?」

言外に『ちゃんと話せ』といわれているような気がして…岩瀬はチョット笑いながら答えた。

「えっと…昼間でも空には星があるじゃないですか…」
「そうだな」
「で…星好きとしては、昼間も見えて欲しい訳で…」
「…で?」
「だから、見えなくて損をしたような気分になるな…と…」

尻すぼみに、声が小さくなる岩瀬は隣に佇む石川をそっと見た、すると―
小さく肩を震わせ、石川が笑いを堪えている…
そんな石川の姿を見て、思わずプライベートの呼び方で苦情を言う。

「悠さん…そこまでウケなくても…」
「ごめ…っ…あっははは…!!」
「…笑うし…」
「いやいや…岩瀬…お前かわいいな!」
「えっ…」

クスクスと笑いを堪えながら、石川は岩瀬に質問する。

「そんなに見たいんだ?」
「えぇ…まぁ。折角出ているんですし…見れるものならば見たいですよね…悠さんは?」
「俺?…俺は…見えても見えなくてもいいけどな…いや、見えないほうがいいかも…」
「えっ…?」

小さく呟いた石川の意外な答えに岩瀬は聞き返した。

「見えないほうがいいんですか?」
「あぁ。見えないからこそ…っていうのもアリだろ」
「『見えないからこそ』?」
「あぁ…昼間、見えないからこそ、夜空の輝きに見惚れるんじゃないか?」
「…なるほど…」

「それに…」
「それに?」
「見えないからこそ価値があるんじゃないか?」
「…価値ですか…」


石川の言にも一理ある - そう思って頷いた岩瀬は、ふと。思い当たる事が…

「…もしかして…悠さん…」
「なんだ?」
「それが解っていて、俺を焦らしているんですね!?」
「はっ…!?」
「焦らすの上手いなー。悠さん!!」
「えっ…ちょ…」

思いも寄らぬ方向に流れ始めた内容に石川は驚いて、真っ赤になりながら、クルリと踵を返す。そして -

「バカ言ってないで行くぞっっ!!!」
「あ。待ってください!!」
「待たない!」
「…もぅ…焦らし上手ですよね。ホント…」
「///違うっっ!!!」

岩瀬の一言に振り向いて声を上げる石川に微笑んで -

「あはは。解ってますよ…本当は恥ずかしがり屋さんだって…」

「岩瀬?」
「誰より大好きな貴方の事ですから…知ってますよ?」
「なにを…?」
「え。悠さんが『照れ屋』で『上手く口に出せないこと』を…そして、俺はそんな貴方が大好きですからvv」

ニッコリと確信的に笑う岩瀬の微笑が悔しくて。
石川は益々赤くなっていく顔を見られないように俯いた -
そして…


「俺も…基寿が好きだ…」

小さく呟いた声が岩瀬に届いた証拠に、岩瀬の顔も赤く染まっていくのが眼の端に映って -

思わず顔を見合わせて笑い出した。


そんなある日の午後。





                                                2007.03.22 UP
アトガキ。(寧ろいい訳)

…35000ヒットお礼SSですよね…?
何処がお礼なのか甚だ疑問ですが。
そのままUPというこの強引さ…(>_<)
まったく持ってチャレンジャーですな。(笑)←笑い事では…
チョットしたリハビリ作品となっておりますが(^^;
これもDGの日常かな?…と。
えぇ。何時でも何処でもラブラブビームダダ漏れですからネッ!

35000ヒット☆ ホント!有り難う御座いました!!!