SNOW!SNOW!SNOW!


「あ。雪・・・」

チラチラと空から落ちてきたのは、今年初めての雪で・・・曇った空から絶え間なく落ちてくる。
丁度、外を巡回していた石川と岩瀬は、降り始めた雪に足を止めた。

「寒いと思ったら・・・」
「積もりますかね・・・?」

まるで子供のように、ウキウキと空を見上げる岩瀬に、チョット笑い―石川は肩をすくめる。

「どうかな・・・」
「うーん・・・でも、積もるとイロイロと支障が出てきますからね・・・」
「積もって欲しいような、欲しくないような?」
「えぇ・・・」
「でも、雪は見たい・・・って?」
「そうなんですよ・・・我が侭でしょ?」

たはは。と首に手をやり、苦笑する岩瀬に石川は空を見上げて・・・

「解るよ・・・」
「え?」
「俺も・・・積もった雪を見るのは好きなんだ」
「そうなんですか?」
「うん・・・一度でいいから、雪に寝転がってみたいんだけど・・・」

微笑んで、意外な事を言う石川を驚いた表情で見ていた岩瀬は―ニコニコと笑っている・・・
そんな岩瀬を見て石川は、不思議そうに問い掛け―

「なんだ?ニコニコして・・・何がそんなに嬉しいんだ?」
「え・・・だって、これでまた一つ、悠さんの事を知ったかと思うと・・・嬉しくて!」
「ばっ///何言ってるんだ!?」
「えー。だって嬉しくないですか?『好きな人』の『好きな事』を知るのって・・・」

恥ずかしげもなく、サラリと言い切る岩瀬に石川は真っ赤になって・・・

「言ってろ!そして仕事中!!」
「大丈夫ですよ、ほかに誰もいませんからvv」
「そういう問題じゃない!!」
「照れてる!可愛いなーvv」
「基寿!!」
「あ。」
「あ・・・」

思わず、名前で呼んだ石川に岩瀬は破顔してしまうが・・・石川は『悔しい!』という表情をして―

「・・・っっ・・・岩瀬!!行くぞ!!」
「あ・・・待ってくださいよぅ!!」

照れ隠しでダカダカと走り出した石川の後を追い、岩瀬も走り出す。
そんな二人の姿を空から降る雪だけが見ていた・・・



クリスマスまであと11日―




200612.14 UP