E国 王宮の一室 ―

「あぁ・・・ジョセフには如何することも出来ないだろう・・・アレはもう少し・・・」

そこで男は溜息をつき、自分の前で直立している男を見る ― そして

「イズミ。頼んだぞ・・・」
「はい。陛下」
「出発は明日か・・・今日はもう下がっていい」
「はい。では行ってまいります」
「あぁ」

イズミと呼ばれた男は部屋を退出し、人気の無い廊下を歩く。
そして壁に飾られた花々を見て・・・

「お飾り ― か・・・」

暫く、花を見つめていたが・・・ 再び歩き出した ―





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